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粘土瓦、
粘土瓦は、日本では最もポピュラーな瓦です。
粘土質の土を形成して、高温で焼成します。
昔から使われており、日本の風土に適しています。
耐久性、遮音性に優れていて、雨音なども気にはなりません。
ですが、粘土瓦のデメリットは、その重さです。
他の屋根材と比べるとかなり重量があり、建物全体に掛かる負荷が大きくなります。
その為に耐震性は劣ります。
粘土瓦には、釉薬瓦と無釉薬瓦とがあります。
釉薬瓦(陶器瓦)
釉薬瓦(陶器瓦)は、粘土を形成した後に、ガラス質の釉薬(うわぐすり、ゆうやく)を塗布して焼成した瓦を言います。
色や艶に変化を持たせることができます。
釉薬瓦(陶器瓦)は耐水性に優れ、色あせもしにくいです。
御自宅の周りを見ても、この瓦を使っているお家は多いと思います。
耐用年数は50年から60年と言われます。
基本的にメンテナンスは必要とはしません。
ですが、漆喰部分や瓦の下に敷いてあるルーフィングは傷みますので定期的な点検は必要です。
無釉薬瓦
無釉薬瓦は、釉薬を塗らないで焼成する瓦のことをいいます。
昔から残るお城やお寺で使われていることが多いですね。
耐久力は間違いなくあります。
いぶし瓦、素焼き瓦、連込瓦、窯変瓦、といった種類があります。
多く採用されているのは、いぶし瓦と素焼き瓦です。
いぶし瓦は、焼成後、窯の中でいぶすことにより、表面に炭素膜を作り、味のある黒色とか、銀色などの味のある色目になります。
耐用年数は、30年から60年です。
経年劣化により炭素膜が剥がれると、色や耐水性がおちてきます。
その時は補修が必要になります。
素焼き瓦は粘土を焼いたときの色がそのまま活かされています。
自然な風合いを堪能できます。
酸化炎焼成による赤色の為に、赤瓦と呼ばれることもあります。
素焼き瓦の耐久年数は40年から50年ぐらいです。
洋風建築で人気のスペイン瓦やテラコッタ瓦も素焼き瓦の一種です。
セメント瓦、コンクリート瓦
次に、セメント瓦、コンクリート瓦(ムニエル瓦)の特徴について説明しましょう。
セメント瓦やコンクリート瓦は、セメント、水、砂を主原料としています。
一般的には塗装で色を付けますが、セメントに顔料を混ぜて色付けをしている瓦もあります。
粘土瓦や瓦の角が丸くなめらかですが、セメント瓦やコンクリート瓦は角がギザギザの形をしています。
色やデザインが豊富です。
粘土瓦よりも寸法に狂いが少ない為、施工が用意です。
セメント瓦、コンクリート瓦の耐久年数は、20年から40年くらいですが、10年から20年を目途に塗り替える必要があります。
重さがあるので地震には弱く、粘土瓦に比べると耐久性も低いです。
現在では、あまり生産されていません。
セメント瓦、モニエル瓦
次は、セメント瓦ともモニエル瓦の違いについて説明しましょう。
モニエル瓦は、一時期流行しましたが、乾式コンクリート瓦、とも呼ばれています。
表面にスラリー層と呼ばれるセメントの着色剤が厚めに施工されています。防水性には優れています。
セメント瓦とモニエル瓦では、塗装の方法が異なりますので注意が必要です。
セメント瓦かコンクリート瓦かの見分け方は、瓦の小口(切断面、厚みが分かる部分)で分かります。
小口の面が平らであればセメント瓦です。
小口が凸凹になっていたらモニエル瓦です。
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